マシキムワークス・Mサイレント
ノーマルのエキマニは生産ラインの問題で完全な等長でない上に配管が細いため高回転域での排気効率は良くないと云われています。しかし高回転域を常用することはないのが普通なので、より効率の良いエキマニへの交換は私には不要だと考えていました。全く興味が無かったわけではありませんがエキマニ自体も高価ですしボルト破損のリカバリーする自信が無かったので購入には踏み切れませんでした。・・・発端は昨年の冬、近くのマツダディーラーで開かれたオートエクゼのデモカー展示会でした。デモカーはMPVとRX―7そしてロードスターでした。私の目当ては当然?ロードスターです。折角なのでロードスターのデモカー試乗もしました。・・・デモカーの感触は素晴らしいものでした。足は固められ出力も多少上がっているはずですがノーマル車のような感触で、より上質なものに仕上がっていました。デモカーはNB型でエンジンも可変バルタイ付きのエンジンでしたので私の乗っているクルマとは既に雲泥の差が有りますが、パーツ換装(ボンネットはカーボン!30万円也)で性能向上していると思われます。私のクルマをデモカーのように作るのは容易でないにせよエンジンの吹け上がりを良くするくらいは出来るだろうとエキマニの購入を決めました。 いつも通りネットで物色したり雑誌で情報収集をしました。お手ごろ価格から高いものまで色々ありましたが結局マキシムワークスにしました。マキシムワークスはマツダスピードに供給しているメーカーらしいので容易に組むことができるかな?・・・っと云うのが一番の理由です。理由は他にも有りますが、それは内緒・・・。当初はヤフーオークションで探していましたが適当な出品がなかったのでネット通販で購入しました。それが届いたのは去年の年末・・・。そうなんです。今の今まで全く手付かずのままだったのです。何故そうなったかというと年末年始は紀伊半島をクルマで車内泊の旅に出たからです。その旅先でナビの能力に限界を感じたのでハードディスクナビを購入しました。ナビの差し換えは、すぐに行う予定でしたが近辺(私が住む家を含む)の下水工事が始まったので作業環境が確保できずに、ほったらかし。ナビの取り付けは四月になってからです。黄金週間は北海道の宗谷岬に行ってきました。ナビの能力を試す意味も有りました。結果はまぁまぁ。盆休みはバイクで出かける予定でしたが長雨が続いたため中止。夏は只でさえ作業環境は良くないので最近になってようやくエキマニの作業に着手できました。約十ヵ月後にしてようやく日の目をみたのです。 エキマニの交換作業自体は難しくありません。必要な箇所のボルトを外してエキマニを差し替えるだけです。ただ注意点は幾つか有ります。それはエキマニ付近や触媒のボルトが排気熱に晒されて破損し易くなっているということです。なかなか緩まない上にネジが舐めたり折損する可能性が否定できないのでリカバリー対策が必要になります。
潤滑剤 は取り外すネジ部に、たっぷりと吹き付けて暫く放置してから作業に入ります。エンジンやエキマニが冷えた状態で吹き付ければ効果的だと思います。(熱を持っている時に吹き付けても揮発するだけだから) トルクレンチ は組む時に適正な回転力で締め付けるために必要なのですが締め付けトルクが手の感触で、分かる人には不要です。 耐熱グリス は700度まで耐えられるグリスでトラブル防止の意味で締め付ける際にネジに塗りました。今回の作業では南海部品で購入したアンチシーズという品を使いました(少量の割りに高価ですね・・・)。アストロプロダクツにも同等品があるらしいです。 インパクトレンチと鉄パイプ ですが、これらはエキマニや触媒付近を固定しているナットなどを緩める際に使用します。インパクトレンチで一気に取り外せればナットが舐めるなどのトラブルを防げるし作業効率も良いと思います。私はエアツールを持っていないので、お手軽な電動式を買っていましたが今回はホームセンターなどで売っている細目の単管パイプをレンチに挿してナットを外しました(けっこうイケますぜ、ダンナ!)。 作業手順は以下の通りです。まず左前足のホイールナットを緩める作業から開始しました。次にフロアージャッキでリフトさせるのですがジャッキを噛ませられなかったのでスロープを使いタイヤを軽量ブロックに乗せて高さを稼いでからジャッキアップしました。ジャッキの当たる部分には当て木を添えてリフト量の増加と車体を傷付けないようにします。車体をウマに載せて安定してからタイヤを取り外しエキマニに関連するボルトとナットの全てに潤滑油を吹き付けます。まず触媒部のナット。
・・・いよいよエキマニの取り外しです。最初の一、二本はレンチだけで外せましたが他のナットは私のへたった腕力だけでは力が足らないので鉄パイプをレンチに挿してナットを外しました。
あとはMサイレントに付属している新品のガスケットを噛ましてMサイレントを取り付けます。ちなみにエキマニ側のガスケットはメタルガスケットなので再使用できるそうですが新品に交換するのが無難です。・・・さてと、Mサイレントを組み込みますか!フロントパイプ側をミッション側に空いているスペースに差し込みボルト穴にはめ込みます。流石!マツダスピード(オートエキゼにも供給しているようです)に供給しているだけあって、ぴったんこ!(ちょっと感激!)こういう当たり前のことは価格上昇につながりますが私は、これだけでもMサイレントを選んで良かったと思えました。あとはMサイレント付属のナットで締め付けるだけですが、ここで問題発生。 今朝、外に出ると曇り空でした。昨日の晩になって降り始めた雨は止んだようです。作業を再開しようと準備しだしたら雨が降ってきました。小降りの雨なので作業できなくもないのですが様子を見ることにしました。その間に資料をひっくり返して締め付けトルクについて調べてみました。ネットでも検索してみましたが締め付けトルクの数値を見つけることはできませんでした。ネットでの検索に疲れたのが十時過ぎ。ちょうどディーラーも開き始めた時間でしたので近くのマツダディーラーに整備書のコピーが貰えるか電話で確認したところ快い返事が貰えたので急いでディーラーまで行くことにしました。雨は既に上がり晴天に変わっていましたのでバイクでディーラーまでコピーを貰いに行ってきました!ディーラーに到着して整備書の抜粋を見て驚きました。予想していた締め付けトルクより大きかったからです。とりあえず2キロくらいで締め付ければいっかー!なぁ~んて考えていたものですから・・・。
ちなみに締め付けトルクは・・・。 予想していた締め付けトルクの倍以上でした。ディーラーに電話して良かった~!家に戻ったら丁度お昼になっていたので昼飯後に作業を再開しました。まずは触媒側から。適当に、ねじ込むまでは通常のレンチで締めてからトルクレンチで均等に締め上げます。とりあえず四キロのトルクで締めることにしました。1キロ2キロ3キロ・・・と徐々に締め付けトルクを上げて締め付け完了。ちなみにディープソケットタイプでないと締め付けられませんでした。次にエキマニ側ですが、こちらも4キロに設定しました。エキマニ側はボルトの本数が多いので二キロ三キロという締め付けトルクのかけ方にしました。・・・ここで新たな問題発生。ソケットレンチではどうしても締められないナットがありました。エキマニのパイプの陰に隠れるように存在するナットです。丁度三番目のパイプに阻まれてしまうので、そのナットだけは14―17のメガネコンピレンチを使って他のボルトの締め付け具合に似た感触まで締め付けました。念の為、他のナットよりも気持ち多めに締め付けてエキマニの取り付けを完了させました。あとは外した配線やら装備やら断熱板やらを取り付けて完成です。エンジンを始動させてチェック。バンテージから蒸気が・・・。見る見るバンテージが焦げました・・・。マフラーを押さえて排気もれをチェック。エキマニ側、触媒側、共に排気もれなし(・・・と思う)!こうしてエキマニの取り付けは作業は完了しました。 期待と不安を胸に発進!・・・いつもと、おんなじ。なぁ~んにも、かわらん。分かっていたけどアイドリングもいつもと同じ。変わった!・・・っという印象は全くなく、いつも通りの吹け具合。なんじゃっ~これっ~?ほんとにま~ったくかわらん!おれはこんなもののためにたいまいはたいてじかんさいてくみあげったちゅーんか!・・・心の中で小さく叫びました。・・・今回の作業で大きなトラブルがなかっただけ良しとするかと気持ちを切り替えました。・・・ちと、さびしい。あとは、これ(Mサイレント)が割れないように気をつけて走るしかないか・・・。・・・かなり空しい気分になりました。・・・道が開けた時、何気なくアクセルペダルをベタ踏みしてみました。・・・すると、 ごく自然にレッドゾーンに到達するではありませんか! ・・・アレ?こんなに(簡単に)レッドゾーンまで吹けたっけ?・・・そうなんです。五千回転まではノーマルと一緒。でもそれ以上の回転だとノーマルなら、のそのそ・・・っと針が動く回転域がMサイレントだと滑らかな針の動きを示すのです!・・・私は余りにも劇的な変化を期待し過ぎていたようです。 ・・・結論を云えば五千回転以下で走ってしまうドライバーにはエキマニの交換は不要!耐久性も純正より落ちているようですし、オススメできません。・・・一言で言ってしまえば「趣味の世界」ですね、これは。性能、云々の問題ではない気がします。・・・ここまでやっておいて、ちょっーと寂しい結果に終わってしまいましたが、これでまた一歩クルマの構造に近づくことが出来て良かったことにします。
追加事項
追加事項その弐
AUTOEXE EXHAUST MANIFOLD
追加事項 トップページに戻る。 2004/2/28 更新 ジャンル別一覧
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